将棋の昇段制度はテキトー過ぎないか?

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


昔(昭和)からの昇段制度の変遷については、詳細は知らないけど原則的には、順位戦
の昇級=昇段、こういう時期がありました。
つまり、C級2組に上がった時が四段としてスタート。
以下の組に昇級すると
C級1組→五段
B級2組→六段
B級1組→七段
A級  →八段
となります。


この制度の良いところ(部外者から見て)は、○○八段と聞けば「この棋士はA級まで
いった人だな」とひと目で分かった事です。
もちろん、降段制度は無いので、A級からフリークラスまで落ちても八段のままです。
それでも、その棋士のイメージは掴めます。


現在もこの制度は健在です。
ただ、他にも昇段制度が多く出来て、訳が分からなくなっています。
例えば、「勝数規定」というのがあって四段昇段後に「公式戦100勝すると五段」です。
また、五段昇段後に「公式戦120勝すると六段」です。
この勝数規定を使うと、C級2組在籍のまま、タイトル戦にも出場せずに九段まで昇段
する事も、理論上は可能です。
何だか釈然としませんなぁ。


更に、昔よりタイトル戦や棋戦が増えました。
そしてタイトル戦に箔を付けるためか、条件はあるけど「タイトル挑戦」「タイトル
獲得」、「棋戦優勝」による昇段もあります。
まぁ、一番酷いのが「竜王ランキング戦連続昇級による昇段」かな。


実例で検証してみましょう(笑)。
若手の実力者、三枚堂達也六段(藤井聡太七段と1勝1敗)。
2013年10月1日 四段(C級2組入り)
2017年7月27日 五段(勝数規定)
2017年11月24日 六段(竜王ランキング戦連続2回昇級)
四段→五段までは、約3年10ヶ月(1,395日)かかっています。
ところが、五段→六段は、約4ヶ月(120日)でした。
やっぱり、竜王戦の規定は酷いな。
因みに、三枚堂六段は現在C級2組です。


藤井聡太七段。
2016年10月1日 四段(C級2組入り)
2018年2月1日 五段(順位戦C級1組に昇級)
2018年2月17日 六段(全棋士参加棋戦優勝 - 第11回朝日杯将棋オープン戦)
2018年5月18日 七段(竜王ランキング戦連続2回昇級)
四段→五段 1年4ヶ月(488日)
五段→六段 16日!
六段→七段 約3ヶ月(90日)
16日って何だよ(笑)。


藤井聡太七段の異次元の勝ちっぷりによって、間抜けな昇段制度が明るみに出た
って感じでしょうか。
昇段制度は、当然棋士達(全員ではないと思うけど)の意思が反映されています。
棋士は実力の世界に生きていますが、こんなお手盛り昇段(敢えて言うけど)を本当
に望んでいるんでしょうか。
この整合性のない昇段制度の犠牲者が、何と藤井聡太七段です。
今年で49回目になる「新人王戦」がありますが、この出場資格の一つが「六段以下」
なのです。
つまり、将棋界最年少の藤井聡太七段15歳には、今年から出場資格がありません。
そんなバカな!永瀬七段ならば「そんなバナナ!」と言いそうですが。


救いは、七段昇段後の藤井七段の話です。
「昇段は嬉しいが、すぐに(竜王戦のランキング戦5組の)決勝がある。
 喜びに浸るよりは次の決勝にむけて気を引き締めたい」
昇段なんて全然気にしてません。本当に強い人は、段なんて気にしないんだよ(推測)。
そんなものは、将棋人生の目的ではなく結果として付いてくるものでしょう。


藤井七段の八段昇段について、「いつ可能か?」などの報道もありますが、本当に
すっとこどっこいなマスコミ連中だよね。
だって、藤井七段がタイトル取ったら、引退するまで「藤井王座」とか呼ばれ続けて
(ずっとタイトル保持は間違いない)段で呼ばれる事はないでしょうからね(笑)。
それに、タイトル失う頃には藤井聡太九段なんだよ。
(「藤井王座」としたのは、特に深い意味はありません・・・)
※ここまで書いたら、21日に新たな昇段規定が追加されました。マジかよ(呆)。


とりあえず、インフレ昇段の元凶「竜王ランキング戦連続2回昇級」を廃止しろ(笑)。