4回目の『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』(2017-05-10)

日本特殊陶業市民会館ビレッジホール 開場12:30 開演13:00



本当の最終公演という事で、名古屋の大千穐楽に行きました。
中川さんのアドリブが自由過ぎて、お芝居を壊す一歩手前な感じでした。
席は中心より右側という、過去3回と同じパターン。左側でも観たかった・・・。
アドリブ部分など気になった部分だけを書きます。


「ベースボール・ゲーム」
今回は、犬はルーシーの手を噛みませんでした。
ルーシー2回キャッチボールをした後で
ルーシー「あたし、上手くなったでしょ?」
首を振る犬。確かに、上手くなってません。
ワンワン鳴き、ボールを奪って退場する犬。
引っ込んだ舞台袖に向かって
ルーシー「ホントにお前は自由すぎるわ!」


ルーシーが正面を向いて一瞬バットを構えたのですが、左手が上にきてました。
持ち方が逆ですが、私が観た過去3回では気付かなかったなぁ。


「ルーシーのアンケート」
通常アンケート終ってからの犬(とルーシー)のアドリブがかなり長かったです。
犬がワンワンとアンケートパネルを指さし、ルーシーが解読して反応する。
ルーシー「ボールで遊んでくれるの?これ(アンケート集計)やらなきゃならないん
だけど」
軽くキャッチボールした後、犬が強く投げてルーシーの首の下に当たる。
更に次には、ルーシーのあごの下を直撃。
ルーシー「顔はやめなさいよ!」
ワンワンうるさい犬が退場。
ルーシー「ホントに、いつか覚えてなさいよ!」


その他。
精神分析」の場面で、医師「外出中」になってた。いつもは「在院中」なのに。
位置的に分かってるCBが直すかと思ったけど直さなかった。気付かなかったか。
ルーシーのスカートを(他の人が)めくる場面が多かった。犬とサリーだけど。


「ルーシーのアンケート」とか、チャーリーと犬の場面で、犬が舞台の端にいる時の
犬の動きが目立ってしまいます。
アッキーファンがいちいち喜ぶので、役者さんもやりにくそう。
お芝居を壊す一歩手前です。
一歩手前でも壊していないのは流石と言うべきなのかな(笑)。
村井さんとかあやひーの素が一瞬でも出たのは残念です。
私が演出家だったら、終演後に役者(アッキー)に灰皿投げつけるレベルです。


カーテンコール
村井「今日は大千穐楽という事で、キャストの方から一言ずつ頂きたいと思います」
村井さんから、一番手に指名されたのは、高垣ルーシー。
あやひー「私から?(笑)」
村井「よろしくお願いします」
あやひー「改めまして、本日ご観劇頂き、そして大千穐楽を見届けて下さった皆様、本当
にありがとうございました!」
(会場、拍手)


あやひー「ルーシー役の高垣彩陽です。えー、そうですね、私ごとになるんですけども
私、このミュージカルが4年振りのミュージカルで、ずっとミュージカル大好きで憧れて
て、絶対やりたいと思ってて。4年の間が空いてしまって、でもこんなに素晴らしい作品に
関わらせて頂けて、ルーシーという役を頂いて本当に毎日幸せだったんですが、あのー、
お稽古の時の振り付けとか、お稽古での景色とかが、(本番)やりながらフラッシュバック
して、なんか不思議な感慨でやっていたんですが、稽古中に追い付かない事が一杯あって。
すごく皆にも迷惑かけたし、本当に大好きで憧れてたミュージカルだったけれども、「私
にはミュージカル向いてなかったんだ」ってすごく打ちのめされる日もあったんですけど。
もしかしたら私にとって、これが最後のミュージカルだって・・・」
(観客、笑う。私も笑った)
あやひーを初めて観たお客さんは、「この人、何言ってるんだ」と思った筈で、そういう
反応でした。
だって、抜群の存在感で、圧倒的な歌唱力と演技力を見せ付けられてますからね。
先の発言は、半ばジョークとして受け取られてました。
私は、「相変わらず、あやひーらしいなぁ」と思って笑っちゃいましたが。
本番中に、稽古の様子がフラッシュバックって何気に凄いなぁ。


このあたりから涙声だったかな。
あやひー「本当に思ってた時期があって・・・」
中川さんからハンカチを渡される。
あやひー「本当に私は、ダメ人間という言葉がピッタリだという・・・」
(観客、笑う。私も笑った)
あやひー「本番が近付いてきて、皆それぞれ悩む時期もあったと思うんですけど、私も打ち
のめされて、ダメ人間って思う日もあったんですけど、演出家の小林香さんを始め、本当に
温かいスタッフの皆さん、それで地方公演には一緒に来られなかったけれど、稽古場で振り
をつけてくれた先生、歌唱指導の先生、衣装やメイクの方も本当に沢山の方が支えて下さり
そして何より、身近にいるキャストがそれぞれの形で手を差し伸べてくれて、そして最後に
本番が始まって、お客様の拍手や笑い声が、私をルーシーにしてくれて(涙)、本当にありが
とうございました」
(会場、拍手)
「お客様が私をルーシーにしてくれた」って鳥肌が立つようなお言葉でした。
私も後半は、ちょっとウルウルしてしまった。


あやひー「あのー、皆さん(私がミュージカルに)向いてないかなと思う時もあるかもですが
やっぱりミュージカル大好きなので、またいつかミュージカルのステージで皆さんとお会い
出来る日を目指して、頑張って生きていきたいと思います(笑)」
(会場、拍手)
あやひー「ちょっと待って(笑)。今日このミュージカルは終ってしまうけど、チャーリーの
最後の方のセリフにある通り、今日も悪い日じゃなかったって振り返った時に、私達の事、
そしてこの作品の事を、日常で少しでも心に置いて頂いて、思い出して頂けたら幸いです。
是非、明日からの素敵なHappinessな出来ごとが、一杯皆さんにありますように。本当に
ありがとうございました!」
(会場、拍手)


中川「今のって引退宣言?(笑)」
あやひー「違います、違います!(笑)」
村井「(ミュージカルで)待ってるよ」
あやひー「ありがとう!(笑)」
(会場、拍手)


すいませんが、他のキャストの挨拶は省略です。
あやひーの挨拶のインパクトと長さの前では、他のキャストの挨拶が霞んでしまいます。
ただ、中川さんが挨拶で、稽古の話をした中で
「でも、僕が今回凄く感じたのは、ミュージカルシーンで新たなウェーブが起ころうとして
いる。人達が生まれようとしている、もう生まれてきているんでしょうけど、そういう方々
と一緒に共演出来る機会って、中々自分では掴めないなと。こういうチャンスを与えて下さ
った方々に感謝します」
これは、あやひーの事をかなり意識した発言と受け取りました(笑)。


あやひーがダンスで苦労したのは、色んなところで語っています。
でも、そのための稽古だし、最終的にはキレのあるダンスを披露してくれました。
あやひーはミュージカルを愛しています。
いや、愛し過ぎているが故に、自分に課すハードルも高くなっています。
だから、稽古で少しでも出来ないと、「自分はミュージカルに向いてない」などと必要以上
に落ち込んでしまうのです。
ファンから見れば「一番ミュージカルに向いてる人が何を言ってるんだ」という感じです(笑)。


こういう、あやひーの屈折した感情の例は他にもありました。
カバーミニアルバム「melodia3」発売の時でした。
雑誌「ハンナ」でのインタビューです。
−今回の曲目の中で一番思い入れのある曲はどれですか?
 「On My Own」です。ミュージカル『レ・ミゼラブル』が大好きで、実はオーディションも
 学生時代から何度も受けていたんです。だからこそ、大切にしすぎてなかなかこの曲を収録
 しようと思えなかったというか、歌う自分が許せなかったようなところがあったのですが、
 踏ん切りがついたというか、「次は絶対歌おう!」と思えたんです。何年分もの想いが詰ま
 った 一曲になりました。
「歌う自分が許せなかった」って、屈折し過ぎてます。
「晴レルヤ」でも、「自分は、まだこの曲には相応しくない」と考え、収録をしなかった経緯
について語っていました。
「こじらせ女子」というか「めんどくさい女」です。
でも、そういう葛藤を乗り越えて進んでいく謙虚で真摯な姿に、ファンは魅力を感じるのも
事実なのですが(笑)。


今回の挨拶は、あやひーのミュージカルへの狂おしいまでの気持ちが、溢れ出てしまったよう
でした。あやひーには、もっともっとミュージカルへ出演して欲しいものです。
今回の好演で、その機会が広がる事を信じています。


あやひーの挨拶を聞けた(見た)だけでも、名古屋に行った甲斐がありました。