映画『グレイテスト・ショーマン』を観ました。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


19世紀に活躍した伝説の興行師P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)を主人公
にしたミュージカル映画です。
バーナムは、貧しい下層階級出身で、脱サラ起業して見世物(後にサーカスと命名)
で有名になります。
その栄光と挫折、再起を描いています。


ミュージカル部分は、本当に素晴らしかったです。
「A Million Dreams」という曲で、貧しい少年時代から結婚まで一気に進みます。
少年バーナムが歌い始めて、ヒュー・ジャックマン達に繋いでいきます。
このシーンは公式サイトで公開されています。
他の曲も冒頭の「The Greatest Show」とかキアラ・セトルの歌う「THIS IS ME」
など印象に残る良い曲が揃っています。


ただ、ストーリー的には軽いと言うか薄っぺらいです。
バーナムという人物は、どう考えてもアクの強い、一筋縄ではいかない人物です。
見世物も「外見がユニークな人達」を集めたものです。
小人とかシャム双生児とか髭女とか、一般的には「フリークス」と呼ばれ差別され
ていた人達です。そんな見世物を思い付くのは只者ではありません。
そういう人物の半生記としては、あまりに表面的です。


バーナムは少年時代に「フリークス」に親切にされたエピソードもあり、見世物を
始める時の面接でも「フリークス」に対して、非常にフレンドリーで差別意識
ない人物として描かれています。
唯一、上流階級のパーティーで、部屋に入ろうとする「フリークス」を追い返す
場面に、バーナムの心の底の差別意識を見た気がします。この場面は良かったです。


後はオペラ歌手ジェニー・リンドに入れ込んで、妻との修羅場な筈なのに都合よく
アッという間に収まったり、「フリークス」を裏切ったのに簡単に和解してもらった
り、ご都合主義もいいとこです。
だから、ストーリーを重視する人達(少数派)には不満なのも分かります。
私は事前に「ミュージカル部分だけ観るように」という指令を受けていたので、
ストーリーは気にしない方向でした(笑)。だから、面白かったです。
大体、ハリウッドの大手資本の映画に「問題意識」を求めるのは間違ってます。
彼らは、何でもエンタメとして消費しますからね。


そう考えると、ヒュー・ジャックマンの演技は大したものです。
終始、人のいい笑顔を浮かべて、あくまで内面を見せません。
この軽いストーリーに、ドンピシャなんですよ。
だから演技としては、むしろ名演の部類だと思います。


ミュージカル好きのあやひーも観たんでしょうか。