映画『フリークス』を観ました。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


DVD版ですけどね。


グレイテスト・ショーマン』では「フリークス」の扱いは、サラッと流しています。
それがメインテーマじゃないし、あくまでミュージカルがメインでしたからね。
映画の中で「フリークス」という言葉は、蔑視的に使われていたと思います。


そして、ズバリ『フリークス』という名の映画があります。
1932年に、トッド・ブラウニング監督が大手のMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)
で作った映画史に残る問題作です。
サーカスを舞台に、そこに生きる人々の生活や恋愛模様を描いた作品です。
それだけだと普通ですが、多くの登場人物が「フリークス」なのです。
当時、実際のサーカスの見世物でスターだった「フリークス」達を集めたそうです。
やはり、そのビジュアルは強烈な印象です。


小人とかシャム双生児は、現代でもたまに映像で見る機会はあります。
しかし、上半身だけしかない人とか、四肢のない人とか、両性具有者などは、一瞬CG
かと思ってしまうぐらいインパクトがあります。
上半身だけの人って、どうやって排泄するんでしょうか・・・。


この映画は見世物的な側面もありますが、「フリークス」達が食べたり、飲んだり、
喫煙したりなどの日常を描いています。人間なんだから当然です。
小人同士のハンスとフリーダは恋愛中で、婚約しています。
ところが、ハンスは健常者でアクロバットが得意な美人クレオパトラに惚れてしまい
ます。
クレオパトラは、性悪女でハンスが相続した遺産を狙って結婚します。
そして、ハンスを毒殺しようとします。
しかし、それに気付いた「フリークス」達に復讐されます。
嵐の夜のその場面は、ちょっと怖いですが、具体的な復讐シーンはありません。
クレオパトラは、鳥女(顔が人間で他は鳥みたいな外見)にされていました。
ハンスは後悔から数年間、屋敷に引きこもりますが、フリーダが訪ねて来ます。
フリーダはハンスを許して抱き合い、フリーダの「愛してるわ」の言葉で終ります。


シャム双生児の姉と結婚した男が姉に対して
「お前だけここにいろ」「それは無理」みたいな会話が何度かあるんですが、ここは
笑うとこだよね。
この映画の公開は、世間には衝撃だったらしく、上映禁止が相次ぎました。
トッド・ブラウニングも、この作品以降はほとんど作ってません。
あるいは、作らせてもらえなかったという方が正解かな。


この映画については、確か寺山修司もエッセーで言及していました。
寺山修司の語る映画は、観たくなります。彼の作った映画もですけど。


「お涙頂戴作品や楽しい作品だけが映画じゃない」と思う人にはお薦めです。