競馬で儲けると大損する不思議

今、競馬ファンや競馬業界が注目している裁判があります。
一般紙のニュースにもなっています。
それは、大阪の会社員A氏が競馬で5年間に1億5000万儲けたのですが、国税
当局から10億円以上の税金を求められている件です。
色々とツッコミどころは多いけど(笑)。


まず、競馬で5年間1億5000万のプラスが凄いです。
どんな必勝システムを作ったのかと思ったら、市販の予想ソフトに独自の数式
を組み込んだものだそうです。これは、ちょっと拍子抜けですが。
複数の争点はあるようですが、一番の問題は「ハズレ馬券の費用を必要経費と
して認めない」という国税当局の主張です。
これは、とんでもない不合理・非常識です。
さて、問題です。
あるレースで1万円買ってそのうちの1000円分が的中して2万になりました。
儲けはいくらでしょう。
つまり、1万円使って2万円の戻りで、差し引き1万円の儲けですよね。
算数の苦手なあやひー以外は、スフィアの皆さんもこう答えると思います(笑)。
駄菓子菓子、国税当局の答えは違います。
的中したのは1000円分なので、経費として認められるのは1000円だけです。
即ち、儲けは20,000円−1,000円=19,000円だそうです。
だから、この19,000円に対して課税するという主張です。あんた、バカぁ?!


こういう計算で、5年間の実際の儲け1億5000万を解釈すると34億円だそうです。
つまり、存在しない幻の34億円に対して課税しているのが今回の事件です。
大阪の会社員A氏が裁判をおこした訳です。国家権力、無茶やり過ぎ(笑)。
確かに、A氏は儲けに対して確定申告していないので追徴課税分もありますが。
断言しますが、競馬で儲けても申告する人間はゼロですよ(笑)。
大体、払戻金も平均25%が事前に課税されて引かれています。
つまり、そもそも競馬の儲けに課税するのは「二重課税」となって税法上変では
ないか、という主張も通りそうです。
ところで、競馬配当金の税金を「25%」と断言している報道ばっかりだけどこれ
は違います。
正確には「第一種控除率18%」と配当によって変動する「第二種控除率」の合計
で「平均すると約25%になります」という話です。だから「約25%」と書くべき。


正月の競馬専門チャンネルで大物生産者・馬主が「競馬界でA氏を応援しよう!」
と呼びかけていて驚きました。
確かに国税当局の言い分が通ってしまったら、馬券買う人がいなくなるという危機
感なのでしょう。それは分かります。
国税当局って江戸時代の悪代官よりタチが悪いな(笑)。
もっと「常識」が通る世の中になって欲しいですなぁ。裁判の行方に注目です。


私だって昔、2年間でたった400万円儲けた時も申告なんてしなかったぜ(笑)。