ジワジワと効いてくる言葉

true tears』オールナイト上映会(2012-12-08)
での高垣彩陽さんの言葉。
「最近、やっと『true tears』を客観的に観れるようになりました」
話の流れの中で、サラッと言いましたよ。
アニメ放送から5年経っていて、その時は「へぇ〜凄いなぁ」とは思ったのです
が、あんまり深くは考えませんでした。


でも、その意味を少しずつ理解するとボディーブローのように効いてきます。
つまり、5年間もの間、演じた石動 乃絵の視点でしか観れなかったと。
高垣彩陽論」でも書いたけど、あやひーは演じた役に関して、ヒロインとか
端役に関係なく、何か平等に役を愛するという感じなのです。
イベントやコンサートで、普段全く日の当たらないキャラソンを歌うのも、そう
いうキャラへの深い愛情に根ざしているのだと思います。
その気持ちは尊いけれど、そんなに全てを抱えて生きていくのは大変です。
人は、無意識の内に「忘れる」事によって、何とか人生を生きているのだと
思います。
以前、天才と謳われたピアニストが突然失踪し数十年後に再発見されました。
「全てを記憶していて、辛い事も忘れる事が出来ない」のが失踪の原因だった
そうです。何だか、凄く印象に残りました。
あやひーって、微妙にそういう傾向が見えて、演じたキャラを全て背負っている
のかも知れません。少しは忘れた方がいいと思うけど、性格的に難しいか。
その中でも、更に『true tears』は特別な作品なんだな、と実感した次第です。
他の作品では、流石にそこまでは言っていませんからね。


さて、若手演技派女優として知られる貫地谷しほりさん。
知的障害者を演じた映画『くちづけ』が近く公開されます。
そのインタビューで注目を引く言葉がありました。
「自分にとって大切な作品ほど、客観的に観られるようになるには時間がかかる
ので、この作品の意味が本当に分かるのは、まだ数年先かも知れません」
恐ろしいほどに、あやひーの発言と重なります。
いや、実写作品なら分かるけど、アニメ作品でそういう発言をするあやひーは
一体どれだけ作品にのめり込んでいるんでしょうか。
きっと、『ZANNA』への想いも凄いんでしょうね。


あやひーと貫地谷さんが同い年というのも興味深いです。