『2LDK-2013-』を観ました。

俳優座 11:30開場 12:00開演 上演時間約1時間45分。
ほとんど予備知識無し(敢えて)で観ましたが、役者さんの熱演で楽しめました。
高垣彩陽さんが演じるのは、橘ラナ29歳(公称25歳)という「自称・女優」
清水富美加さんは、松本希美というB級アイドルで確か22歳かな。
2人は、同じ事務所に所属していて2LDKの部屋に同居しています。
2人は、同じ女優オーディションを受けて結果を待っているという設定です。
表面的には仲良くしていますが、内心ではお互いに馬鹿にし合っています。
そんな2人が結果待ちの間に本心が露呈して、激しい喧嘩(大立ち回り)に発展します。
流石に殺し合いは避けましたが、一歩間違えば死んでもおかしくない展開です。
ラストはハッピーエンドなので後味は悪くないです。これは意外でしたが(笑)。


派手な立ち回りが話題になるのでしょうが、それより高垣彩陽さんの演技力に注目。
もう後がないという29歳・下積み女優のアバズレ感が半端じゃないです。
何であんなに雰囲気を出せるのか、どう考えても分かりません(笑)。
素のあやひーとは真逆に近い人物像だと思えるだけに尚更です。
高垣彩陽論」でも指摘したけど、あやひーの役作り方法は舞台向きと書きました。
役柄の外見に似せ、精神状態もその役柄に合わせるという努力を常にする人です。
その積み重ねが、今回の舞台に非常に有効だったのは間違いありません。
多彩な表情やセリフの言い回し、細かいニュアンスの表現も素晴らしかったです。
時々表情が、戸田恵子さんにソックリだと思いましたよ。
高垣彩陽さんは、見事に橘ラナの人生を生きていたと思います。
あやひーが今後舞台やミュージカルの経験を積めば、どれだけ凄い女優になるのか
その可能性を感じました。


ところで舞台全体を通じて思った事が。
全体の基調はシリアスなのですが、小ネタが多すぎます。
あやひーに関する小ネタは理解出来ますが、シリアスな場面で言われると、笑って
いいのか躊躇してしまいます。そのため感情移入が途切れてしまいます。
堤 幸彦さんや三浦有為子さんの観客へのサービスなのでしょうが、もっとシリアス
路線で押し通して欲しかったと思います。
「立ち回り」については、体当たりの熱演でした。
頭から生クリーム、熱湯、ヨーグルトなどをかけられていました。
あやひーが清水さんにマヨネーズをかける場面では、流石に顔は避けていました(笑)。
清水さんの方が体格いいのに、武器があやひーより強力なのは若干疑問。
あやひーに強力な武器を持たせないと、見た目にも勝ち目が無いように映ります。
特に、アイロンVSドライヤーでは勝負にならんだろ(笑)。
アイロンで殴られたら死にますよ。
芝居の上では、戦いを仕掛けたのも希美だし、こちらの方が凶悪でした。
いずれにしても、とても面白かったです。
高垣彩陽さん、清水富美加さん、お疲れ様でした。


高垣彩陽さんは、天性の女優なのかも知れません。そんな事を思った土曜日の午後。