「おせっかいさん」の謎。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
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ちょっと前のテレビで、面白い番組をやっていました。
あやひーが観光大使になっている、富山県南砺(なんと)市。
何と、ここが舞台でした。なんと、だけにね・・・。
南砺市は、5年前の調査では、結婚する人の割合が富山で最下位だったそうです。
どうしちゃったんだ、南砺市
そこで、3年前に行政と有志が立ち上がり、婚活応援団「なんとおせっ会」なる組織を
立ち上げたそうです。あやひー好みのネーミングだな(笑)。
通常は、親しみを込めて「おせっかいさん」と呼ばれているようです。
メンバーは子育てを終えた主婦や、定年退職した男性など120人。ボランティアです。
3年で20組の成果。1人で12組結びつけた猛者もいます。0組の人もいます。
この人達の活動を追った内容でしたが、予想通りとはいえ面白かったです。
結婚前に自信のある若者なんていないし、後押ししてくれる人は必要だと思う。
たとえ、その時はうるさく思っても、後になれば感謝の気持ちが湧いてくると。
1人で12組結びつけたオバチャンも、そういう経験をしたそうです。


私が子供の頃は、町内にそういう「おせっかいさん」が1人や2人はいた気がします。
「何年前だよ!」とのツッコミは無しの方向で(笑)。何しろ下町だったんだよ!
今は、人間関係が希薄化して、そういう人種も絶滅したのか。
何しろ、田舎(失礼)の南砺市ですら、そういう組織を人工的に作らざるを得ない訳
ですからね。
話は変わりますが、日本映画の監督で巨匠と呼ばれた小津安二郎(1903-1963)。
どれくらい巨匠かというと、「2012年世界の映画監督358人が選ぶベストワン映画」に
小津安二郎の『東京物語』が選ばれています。
東京物語』ってテレビ放映でしか観たことないけど、家族関係を一見淡々と描いた
作品です。ハリウッド映画に毒された人には、退屈に感じるでしょうね。
10代や20代の人が観ても、面白くないだろうな、というのも予想出来ます。
まぁ、その件は置いといて(笑)。
評論家の内田樹氏によれば、
  小津安二郎は『晩春』も『麦秋』も『秋刀魚の味』も『秋日和』も『彼岸花』も
  秀作はことごとく「娘を結婚させる話」である。
  これらの映画の過半は「縁談」にかかわる会話で占められている(『秋日和』に
  至っては90%がそうである)。
  「適齢期になれば結婚するのが常識」であった時代にあってさえ、大の大人が
  これだけのエネルギーを投じて、人々はようやく結婚にたどりついたのである。
なるほど。「おせっかいさん」の消滅した現代において、結婚しない若者が増えるの
も至極当然の気がしてきました。


わが観光大使が、「なんとおせっ会」の世話になる日は来るのでしょうか(笑)。