それでも競馬は続く。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
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2/26(木)の夜、競馬の後藤浩輝(ごとうひろき)騎手が自殺しました。享年40歳でした。
競馬ファンや関係者に衝撃だったのは、後藤騎手がトップクラスの騎手だった事や、自殺の
理由が全く分からない点でした。
今年の成績で言えば、騎手130人中13位と立派だし、自殺当日のフェイスブックには歌謡ショー
を楽しんだ事が報告されています。


騎手は、声優と似ているかも知れません。
声優は、専門的な技術が要求されますが、3ヶ月単位での仕事なので、雇用の保証という点では
不安定な職業です。騎手も専門職ですが、常に競争の中で良い成績を挙げないと、強い馬への
騎乗依頼が減って、安定した収入を得られません。
そんな中で、常に成績上位だった人が自殺してしまうとは、やはり大きな謎です。
後藤騎手は、メディアに登場する時も常に場を盛り上げる、サービス精神溢れる陽気な人に
見えました。


影を落としているのは、近年のたび重なる落馬事故でしょうか。
騎手に落馬はつきまといますが、それにしても多すぎます。
2012年5月の落馬事故で頸椎骨折、4ヶ月後に復帰してすぐに第一、第二頸椎骨折、頭蓋骨亀裂
骨折。2014年4月の落馬事故では、復帰に7ヶ月を要しました。
そして、自殺の前の週の2/21(土)にも落馬で頸椎捻挫、しかし大事には至らず翌日2/22(日)には
元気に騎乗して2勝しています。
握力がほとんどゼロになった事故から、不屈の闘志でリハビリに励み回復した後藤騎手。
そんな凄い精神力の人が自殺するとは・・・。
あるいは、既に気力を使い果たしていたのでしょうか。
最後の落馬は軽いものでしたが、それが決定的な引き金になってしまったのか。
周りからは、完全に復活したように見えても、本人にしか分からない違和感や不安があったのかも
知れません。それは、自殺した日が月曜や火曜の「レース後」ではなく、木曜という「レース前」
だったのが象徴的です。既に土日に騎乗する馬も決まっている段階なのです。
少なくとも、考えた上での行為ではなく、一瞬の衝動的な行動だったのは確実です。
奥さんと、幼い子供を残して、理性が働けば自殺なんて出来るとは思えません。
結局、本当の原因は永遠の謎ですが、惜しい人を亡くしました。実に残念で悲しいです。


後藤騎手が最初に勝ったG1レースは、私にも思い出深いです。ご冥福を祈ります。