カラヴァッジョ展に行きました。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


国立西洋美術館 3/1〜6/12まで。


ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年)は、バロック期のイタリア人
画家です。
リアリズム的な描法や明暗の描き方が、後世の画家に大きな影響を与えたと言われています。
それよりも、「殺人犯の画家」として一般には知られていると思われます。
この人は38歳で亡くなるまで、しょっちゅう暴力事件を起こし、遂には殺人まで犯します。
街中でケンカしてのもので、正当な理由がありません。もの凄く短気な人物でした。
人間的にはどう見ても「クズ」です。「TARI TARI」の大智なんかより遥にクズです(笑)。
こういう人間に、とんでもない才能を与える神様って底意地が悪過ぎます。
まぁ、神様がいればの話ですが(笑)。


今回出展の51作品のうち、カラヴァッジョの作品は11作品のみです。
特に気に入ったのは「エマオの晩餐」と「法悦のマグダラのマリア」です。

   《エマオの晩餐》

見た瞬間、「レンブラントみたい!」と思いましたが、影響を受けたのはレンブラントの方ですね。
それくらい、構図、光と闇のコントラストが素晴らしいです。



   《法悦のマグダラのマリア

2014年に発見された作品で、今回が「世界初公開」との話題作です。
マグダラのマリア」は新約聖書にも登場して、一般的は「娼婦」だったと言われています。
バッハの「マタイ受難曲」では、イエスに高価な香油を注いで、イエスの弟子達から怒られた
人ですね。この絵のマリアの表情が謎です。
法悦なのか恍惚なのか、あるいは死んでいるのか。
土色をした下唇の印象も強烈です。生きているのか、死んでいるのか。
カラヴァッジョが殺人を犯した後の作品だけに、余計色々と考えてしまうのかも知れません。
何か「ある一線を超えてしまった作品」のようにも思えます。


カラヴァッジョの裁判記録もいくつか展示されています。
アーティチョーク事件」が笑えます。
カラヴァッジョがアーティチョーク(チョウセンアザミ)4つをバター炒め、4つを油炒めで注文
しました。運ばれてきた時、給仕にその区別を聞きました。
給仕が「匂いを嗅げば分かる」と答えた事に激怒し、皿を投げつけてケガをさせたというもの。
給仕の態度も悪いけど、こんな事にいちいち激怒してた人らしい。難儀な人だなぁ。


ところで、アーティチョークなんて(自覚的には)食った事ないです。