加藤一二三九段の生き方。

本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


先日NHKのドキュメンタリー番組になったり、引退カウントダウンで注目されている
将棋の加藤一二三九段。
数々の伝説をお持ちですが、やっぱり名人経験者がC級2組まで落ちて、そこでも
降級点(50人中の成績下から10人)を3回取り、フリークラス(定年は60歳)に追い出さ
れた時に年齢が76歳だったので、実質的な引退というのが最大の伝説でしょう。
後は事前に決まっていた対局を残すのみです。
勝ち続ければ、理論的には引退にはなりませんが、現実には無理でしょう。


加藤一二三九段は、最高タイトルである名人1期を含めて、タイトル獲得8期の実績が
あります。A級在位は36期の長さです。間違いなく名棋士の一人です。
C級2組からスタートして、毎年昇級18歳でA級八段の記録は未だに破られていません。
A級→B級1組→B級2組→C級1組→C級2組というヒエラルキーの中で、B級2組に落ちた
最初の元名人でもあります。


大山十五世名人は「A級から落ちたら引退」を公言し、69歳でA級在位のまま亡くなり
ました。
今回、森内俊之九段(永世名人資格保持者・46歳)は、A級から陥落してフリークラス
への転出を表明しました。フリークラスは、C級2組より下で順位戦には参加出来ません。
森内九段としては、元名人としてのプライドもあったと思います。
森内九段は、名人に返り咲く機会を放棄しましたが、他のタイトル戦への参加は可能
です。
ですが、ファンから見れば名人になる機会を放棄した事は、半分引退したような印象
なのです。その後の理事戦出馬も、実質引退の印象が強くなりました。


そこから考えると、76歳まで現役だった加藤一二三九段の精神力が凄いと思います。
色々と葛藤もあったと思いますが、自分の信念を貫きましたからね。
いや、それよりそういう信念を持った事が尋常ではないと言うべきか。


純粋に将棋が好きという以外の説明が出てきません(笑)。