「テルマエ・ロマエ」の面白さ

試験的に書いています。
本家は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


テルマエ・ロマエ」という漫画が面白いです。
2009年12月に第1巻が出て、2010年2月で既に5刷です。
タイトルはラテン語らしいのですが、説明は無いです。
「ローマのお風呂」でいいのでしょう。
要するに「お風呂漫画」ですね。非常にザックリなんですが。


この漫画は何と「マンガ大賞2010」の大賞に決定したそうです。
この記事を、もう1日早くアップしたおけば良かったなぁ(笑)。
記事は完成していたんですけどね。


作者は、ヤマザキマリさんというポルトガル在住の女性漫画家です。
ローマと風呂が大好きという、分かりやすい人です。
しかし、この単行本の表紙では女性は買いにくいと思うのですが(笑)。
入浴剤が好きらしい、つまりお風呂が好きらしい戸松遥さんにも読んで
もらいたいと思いますけどね。無理やりだな(笑)。


古代ローマの建築技師(主に浴場の)ルシウスは、浴場のアイデアを「古い」
と言われて落ち込んでしまいます。
気晴らしに行った公衆浴場で、現代日本にタイムスリップするというのが
パターンになっています。
銭湯、露天風呂、個人宅の浴槽、ショールーム、湯治場などに現れていま
す。全部お風呂です。
そこで、驚愕の発見をする訳ですよ(笑)。
現代日本のお風呂関連グッズに衝撃を受けます。
銭湯の富士山の壁画、冷えたフルーツ牛乳、温泉玉子、シャワー、シャン
プーハット、壁に埋め込んだテレビ、温水便座、飲む温泉、岩盤浴など。
都合よく古代ローマに戻ってから、当時の技術で近い物を作って大評判に
なり名声を獲得していくのです。


ルシウスが、最初に日本にタイムスリップした時の印象が笑えます。
「ローマ人じゃない・・・顔が平たい・・・」
ルシウスはずっと「この平たい顔族」を奴隷と思っています。
しかし、その文明度の高さに圧倒され続けるのです。
まぁ、それは当然なんですが(笑)。何しろ2000年先なんですからね。


ルシウスがローマで工夫する過程は描かれてなくて、結果だけが示されて
います。この辺りの省略の仕方は上手いと思います。
確かにそれだけで1話出来ますが、冗長になりますからね。


一番面白いのは、ルシウスの心理です。
自分はただ「平たい顔族」の発明を真似しているだけという事で、誇り高い
ローマ人のプライドはズタズタなのです。
しかし、その素晴らしい発明はローマのためになるという確信で真似して
いるのです。しかも、その名声はローマ皇帝にも認められてしまいます。
ローマ皇帝の遠征にも従い、発明したお風呂は勝利に貢献します。
ルシウスの内心忸怩(じくじ)たる思いとは別に、読者は彼の柔軟な発想と
工夫・行動力に感心するという二重構造も面白いです。


単行本最終話では、ルシウスは家を3年間も留守にしたため、奥さんに
「離縁させていただきます」の書置きとともに家出された場面で終わって
います。
2010年4月号のコミックビーム誌で「テルマエ・ロマエ」の連載がが再開され
ています。
今回は奥さんの家出の後日談で、今までとは若干テイストが違います。
しかし、容赦のない結末ですよね(笑)。女性作家らしいなぁ。


コミックビーム誌付録の手ぬぐい目当てだったとは、ココだけの秘密(笑)。