ベリー公のいとも豪華なる時祷書

試験的に書いています。
本家は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


時々、猛烈に買いたくなる物があります。
何年か前にNHK放送大学で、阿部謹也さんという学者が「中世ヨーロッパ
史」みたいな講義をやっていました。


その中で紹介されていたのが「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」です。
「べりーこうのいともごうかなるじとうしょ」と読みます。
中世フランスの王族ベリー公ジャン1世が、ランブール兄弟に製作を依頼
ましたが、完成したのは両者の死後らしいです。
じゃあ、誰が完成させたんだよ、という疑問は残りますが弟子かな(笑)。
羊皮紙206ページの豪華な写本で、非常に美しい細密画(ミニアチュール)が
描かれています。


時祷書(じとうしょ)と言うのは、キリスト教徒が用いる聖務日課書(修道院
で伝えられた礼拝について書かれた本)らしいです。
キリスト教徒としての信仰・礼拝の手引きとして編集された物で、行うべ
き祈りや賛美歌などが書かれているようです。
そして、それについての絵が描かれている訳です。
それが、とても美しいのです。


時々、この長ったらしい名前が頭に浮かびます。
そのうち日本に来るのでは、とも思ってましたが本なのでその内容を見る
事は出来ないのですね。
それに、この写本はフランスにあるのですが、非公開のようです。
最近調べたら、何とこの本が翻訳されて出版されていました。
1989年に中央公論社から「ベリー侯の豪華時祷書(べりーこうのごうかじとう
しょ)」というタイトルで出ていました。
もちろん、羊皮紙ではなく普通の上質紙ですが。
定価23000円!、高い!・・・だけど欲しいと思いました。


しかし、既に新品では存在しない訳ですよ。
古本で何冊か売りに出ているようですが、現物を見ないとね。
国会図書館にはあるようなので、いつか確認したいものです。
私はキリスト教徒ではありませんが、純粋に美術作品として欲しいです。
いや、コピーですけどね。画集みたいな感覚です。


中世・ルネッサンス音楽を聴きながら、この画集を眺めていれば、きっと
心が安らぐと思います。癒されるというか。
ここ1年ぐらいの癒しは、もちろん戸松遥さんなんですが(笑)。
うーん、ちょっと「癒し」の種類が違う気がします。


岩波書店からは別の写本「ベリー公のいとも美しき時祷書」が出てます。