第9地区(だいきゅうちく)

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


南アフリカを舞台にしたSF映画です。やっと観て来ました。
一部で高い評価ですが、まぁまぁ面白かったです。
「大量のエイリアンが難民」という設定の勝利です。
この設定を思いついた人は、その時点で「勝った!」と思ったんじゃない
かな(笑)。監督は南アフリカ出身の人です。


でも、戸松遥さんは観そうにないと思いますけどね。
と思っていたら、戸松遥さんはヤマカンの実写映画「私の優しくない先輩
花澤香菜さん達と友情出演だそうです。
女子高校生役なんでしょうか。大丈夫、まだまだ行けますとも。


以下ネタばれはありますが、ほとんど上映終わっているのでいいよね。
20年前に、南アフリカヨハネスブルク上空に巨大宇宙船が現れます。
しかし、何の応答もないので乗り込んでみると、大量の衰弱した宇宙人が
いたというのが発端です。
そのエイリアン(宇宙人)達は居住区が決められていて、そこで生活して
います。その隔離地区が「第9地区」という訳です。
彼らは、やや粗暴で気持ち悪い外見のため「エビ」という蔑称で呼ばれて
います。


店に「エビお断り」とかあるし、舞台が南アフリカだし、悪名高かった
人種隔離政策(アパルトヘイト)を連想させます。
「エビ」は当然「黒人」のメタファー(隠喩)と思われます。
でも、社会派映画だと思ったら大間違い(笑)。


さて、お話の本題はエイリアンの移住です。
第9地区」の人口が180万を超えて、近隣住民とのトラブルが増加して
いるので、広い「第10地区」に移住させようとします。
その責任者が主人公のヴィカスです。MNUという会社の社員です。
強制移住なのに、形だけエイリアンの同意を取る場面が笑えます。


しかし、ヴィカスはエイリアンが20年かかって作った謎の液体を浴びて
しまいます。そして、段々とエビ化してしまうのです。
そこから、お気楽だったヴィカスの受難が始まります。
ヴィカスを実験材料としてバラバラに分解しようとするMNU社というか、
ヴィカスの義父が極悪非道です。
麻酔なしで心臓を取り出そうとします。恐ろしいなぁ。
逃亡し、MNU社から液体を取り戻そうとするヴィカス。そして、彼と知的
エイリアンのクリストファー親子との友情がメインとなって話は進みます。
ハリウッドの活劇映画のパターンですね。
ただし、グロいシーンの連続ですので苦手な人には辛いかも。


結局、クリストファー親子は故郷の星に帰還出来たようです。
しかし、極悪非道のMNU社はお咎めなしだし、エイリアンは移住させられた
だけです。しかも、かなり死んでいるし。
ヴィカスは完全にエビになってしまったようです。
社会派映画だったら、不満だらけです。
だけど、これは娯楽映画なのです。
ヴィカスとクリストファー親子の友情は最後まで貫かれました。
だから、客観的には酷い結末なのですが、後味はそんなに悪くないです。


エイリアンのクリストファー親子が一番まともかも。