スーパーコンピューターを20万円で創る

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


集英社新書のタイトルです。ある人から「こういうの好きでしょ?」と
言われて渡されました。どストライクですよ(笑)。


何十億もするスーパーコンピューターを20万円で作った4人の男達。
いや、正確にはほとんど1人で作っちゃったんですけどね。
スーパーコンピューターは色々な目的に使える汎用型なんですけど、自作
したのは、天体の重力計算のみをする専用計算機です。
単一目的に徹しているために、その計算スピードがスパコン並みなのです。
市販のICチップを使うだけなのにですよ。


それにしても、ゼロからスタートして回路設計、実装までやってしまう
とは凄い人がいるものです。
この本を書いたのは、その凄い人である伊藤智義(いとうともよし)さん
です。
根本のアイデア自体は、別の人が考えたのですが、大学院生である筆者が
全くの素人であったのも面白いです。
「2年間一生懸命やれば、詳細設計が出来るでしょう」と言われたのに、
半年で詳細設計、それから半年で完成させてしまいました。


実は回路図を見て、熱くなりましたよ。
私も卒業研究で回路設計と製作をやった経験があります。
もちろん、規模は小さいのですが当時の記憶が蘇ります。
最初は、入出力の条件を与えられて複雑さに途方にくれたものです。
中々出来なかったのですが、1週間ぐらいして突然閃きました(笑)。
教授もまさかそんなに早く出来るとは思っていなかったらしく、動作検証
に合格すると絶賛してくれたものです。
その通りに作って、ちゃんと動作しましたよ。
まさに、それと同じなので大興奮してしまいました。
研究分野における、プロジェクトXです。


ご本人はインタビューで「簡単でした」と答えた事を後悔しています。
お陰で、大変な事をしたのに軽く評価されてしまったからです。
筆者の伊藤さんは、コミックの原作も手がけて大学生の時に年収1400万円
あったそうです。それが大学の先生になってからは、それほどの収入は1度
もないそうです。そりゃ、そうでしょう(笑)。
大学での人間関係も赤裸々に書いていて、ベラボーに面白いです。


ちょっと早いけど、戸松遥さんの卒論テーマは知りたいなぁ(笑)。