「花咲くいろは」と厚生年金の話

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


今回は、厚生年金加入者個人というより会社視点で。
健康保険・厚生年金保険が適用される事業所を「適用事業所」と言います。
簡単に言うと、全ての法人事業所(つまり会社)は強制的に厚生年金保険に
加入する事になります。つまり「適用事業所」な訳です。
例え、社長一人しかいない会社でもです。
まぁ、この社長が給料もらっていないと話は違いますが省略。


さて、問題は声優さんみたいな(会社組織ではない)個人事業主なのです。
個人事業主でも、従業員が5人以上いると「適用事業所」になります。
しかし、例外規定があって「農林水産業、サービス業の一部等を除く」と
なっています。つまり、この業種は「任意適用」扱いとなり「適用事業所」
でなくても良いのです。例え従業員が100人いてもです。変なの。
これの利点は、事業主から見れば従業員の厚生年金保険料の負担が無いと
いう事です。これは、零細事業主から見ればすごく大きいのです。
実は、この例外規定の中に「旅館業」があるのです。


さて、実際に即して考えてみましょう。
花咲くいろは」に登場する旅館は主に二つです。
ヒロインが働く喜翆荘。いかにも昔ながらの旅館で、引き継いだ経緯から
も会社組織ではなさそうです。つまり、20歳以上60歳未満の従業員は自分
国民年金に加入して、自分で月額15,020円(平成23年度分)を払う必要が
あります。従業員には優しくないです。


そして、喜翆荘のライバル旅館「福屋」。
戸松遥さん演じる和倉 結名(わくら ゆいな)は経営者の一人娘です。
こちらは、規模が大きいし経営も順調で客の少ない喜翆荘とは違って倒産
の危機は少ないようです。
もちろん、会社組織にしていれば無条件に「適用事業所」です。
会社にすると、色々と情報の開示義務があるので個人事業主のままと仮定
します。しかし、従業員のためには厚生年金に加入したいと経営者が考え
たとします。まぁ、良心的ですがあり得る話です。
その方法は可能です。しかし、若干ハードルは高いです。
クリアすべき条件は3つあります。
①従業員の1/2以上の同意が必要。
②事業主の承認が必要→事業主が申請するため。
③管轄の年金事務所の承認が必要。
審査基準がハッキリしない③が案外難しいのです。
会社にした方が楽です(笑)。
そして、承認された場合は加入に反対した従業員も厚生年金に加入です。
これは、厚生年金の加入が事業所単位で行われるからです。
ややこしい話で申し訳ないけど、趣味なのでつい(笑)。


カテゴリに「年金」を作ろうかな(笑)。