「宇宙は本当にひとつなのか」は超面白いけど、さっぱりピーマンだ。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


著者は、村山斉(むらやまひとし)さん。
この人は、数物連携宇宙研究機構(IPMU)の機構長という要職にあります。
数式は出て来ないので、文科系にも分かりやすいと思います。
私は、元天文部で理系だけど、数学はサッパリなので助かります(笑)。


とにかく、近年の宇宙に関する発見の数々は驚異的です。
人類が宇宙に関して、ほとんど知らないのが明らかになる、という奇妙さ。
宇宙の星や銀河を形成する元素を合計しても、約4%に過ぎないそうです。
残りの約96%は、23%の暗黒物質と73%の暗黒エネルギー。
暗黒物質と暗黒エネルギーの正体は、ほとんど不明なのです。
つまり、人類が知っているのはせいぜい宇宙の4%もないらしいです。


この本では、「ダーク・マター」という言葉は、稀にしか出てこないけど
暗黒物質」の事です。
「ダーク・マター」は、かなり前から聞いていたけど、単なる星になる前の
星間物質だと思ってました。
ところが、あまりにも奇妙な性質を持っています。
 ・地球上の原子や素粒子で構成されていない。
 ・ほとんどの物質をすり抜ける。
   この点は、素粒子ニュートリノと似ているがはるかに重い粒子。
 ・他の物質とほとんど反応しない(電気的性質がない)。
 ・ゆっくりと動く。
 ・多分、我々の周囲にも存在する。
これらを合理的に説明するには「別次元で運動している粒子」と考えるのも
有力だそうです。SF的内容が、大真面目で議論されている事に驚きます。
現在、世界で「暗黒物質」探しの競争だそうです。


「暗黒エネルギー」に至ってはさらに謎です。
膨張している宇宙(これ常識)の膨張速度は段々遅くなって、止まるか収縮
に向かうかと思われていました。
ところが、観測によると膨張速度は段々速くなっているのです。
これは、とてもあり得ない現象だそうです。
「真上に放り投げたボールが、どんどん加速して上昇する」ぐらい異常な
現象だそうです。この例えなら分かるぜ(笑)。
しかも、この「暗黒エネルギー」はどんどん増え続けているのです。
どこから補給されているのか?というのも謎です。


そして、話は「多次元宇宙」と「多元宇宙」へ。
多次元宇宙→この宇宙は、「時間」を入れて4次元宇宙だが目に見えない
      次元があるという考え。「超ひも理論」では10次元と予想。
私なりに要約すると、宇宙や量子力学の不可思議な現象は、別次元の現象
の影を観測しているという事かな。誰かが言ってた気もするけど・・・。
多元宇宙→宇宙が沢山あるという考え。量子力学のアイデア多世界解釈
     とも関係あります。「超ひも理論」によると無数にある可能性。


凄く興味ある話題ですが、とんでもない話だなぁ。
世界は、美しい自然数みたいなキッチリしたものではなく、むしろ非常に
複雑な世界(の一部)なのかも知れません。
何だか、今は物理学の歴史的大発見の前夜みたいな雰囲気を感じます。
やがて宇宙観・世界観のコペルニクス的転回がありそうです。
チラッと出た、重力の元になるグラビトン(重力子)、質量の元になる
ヒッグス粒子の話題にもワクワクですよ。早く発見されるといいな。
「Defying Gravity」を聴くと、グラビトンを連想する私って一体・・・。
多世界解釈」が現実ならば、戸松遥さんとかスフィアも無数に存在する
かも知れないなんちゃって。典型的なシロート考えだなぁ(笑)。


そうなればイベントも当選する世界で・・・。まだ言ってるよ、この人。