声優の技術的な諸問題

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
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2011年7月にNHK教育TVでボイス・アクターズ「浅沼晋太郎×清水香里」と
いう番組がありました。
紹介では、浅沼さんは「マルチな才能」、清水さんは「声の職人」でした。
浅沼さんは舞台の作・演出でも有名で、スフィアのライブでもおなじみです。
NHKアニメの主人公とヒロイン役の二人が、キャラクターに命を吹き込むまで
を追っています。
これが声優の実際の作業を紹介していて、中々面白かったです。
流石にオーディション部分は無し。生々し過ぎますからね、その部分は(笑)。


監督の要望として
主人公は「等身大の高校生を演じられる事」
ヒロインは「自然な存在感」だそうです。
アフレコ2週間前、二人一緒に台本を受け取る。
通常は1週間前だそうです。後、台本確認用のDVDも。
実際に二人に作業をしてもらう。
1.台本のチェック
浅沼さん→自分のセリフだけを蛍光ペンでチェック。
     セリフの量を見て流れをつかむ。
清水さん→赤鉛筆で、セリフが次のページに続く時は印を付ける。
     ページをめくる場合は雑音を出さないように、前のページに書き
     写すことも。発声する言葉の単位に印を付ける。
2.DVDを見ながら、セリフ合わせ。
浅沼さん→表情の変化にセリフを合わせる。アニメのキャラと同じ表情を
     すれば最適な声が出る、という理屈。
清水さん→タイムコードをチェックしてタイミングを合わせる。
浅沼さんは、脚本書いたり演出する人なのでかなり特殊だと思います。
清水さんの作業方法は実践的だと思います。
3.現場での修正
テストアフレコ。終了後、音響監督が訂正の指示。
「大人すぎるので、もう少し子供寄りに」とか「出だしの声が低すぎる」など。
この後、テスト無しに本番でした。この程度の修正はすぐ出来るという前提
らしいです。別録りで合成する場面もあり。
浅沼さんは、この段階での書き込みが多いです。

 
清水さんは、銀座で「人間観察」が日課だそうです。日課というのが凄い。
「役の引き出し」を増やすためだそうです。
そう言えば、戸松遥さんとかスフィアのメンバーも「人間観察が好き」って
言ってましたね。「人間観察」は声優の必須科目か。
今回の事例では、キャラクターの内面をどう理解するかについては触れていま
せんでした。割合と、声優の技術的側面が強調されていたかな。
面白かったけど、大事な点に触れていない気もします。


スフィアの4人が、どういう実作業をするのか興味があります。