「家なき子」が面白い!!

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


まぁ、昔のアニメです。
原作はフランスの児童文学で、ありがちな貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)と言えなく
もないです。でも、アニメになると異常に面白いです(笑)。
アニマックスで放送中で、10話ぐらいから観始めました。全部で51話です。
主人公の少年レミは、赤ん坊の時に誘拐されて捨てられ、挙句の果てに旅芸人ビタリス
に売られるという酷い境遇です。
セニョール・ビタリス一座を率いるビタリスは初老の誇り高い人物。
只者ではない雰囲気ですが、それもその筈。訳あって旅芸人をしていますが実は高名な
オペラ歌手カルロ・バルザーニその人なのだ!つい、興奮してしまいました・・・。
駄菓子菓子、私が観始めた頃からビタリスはトラブルメーカーなのです(笑)。
旅芸人の興行を理不尽に妨害する警官に腹を立て、殴りかかり2ヶ月間投獄されてしまい
ます。そのため子供のレミはビタリス一座のリーダーを務めるのですが、大人達に翻弄
されて餓死寸前にまで追い込まれます。
ビタリスの後先考えない行動が原因なのです。歳の割に血気盛んすぎます。
そのくせ刑務所でレミに「元気でやっている事と思う」と呑気な手紙を書いています。
追い詰められるレミ達の描写が凄いです。
少ないお金でいかにパンを買うか必死に考えるレミ。
しかし、目論見は少しずつはずれてしまいます。
飢えた一座の動物が言う事を聞かなくなるのがリアリティあります。
遂に一座の犬・ゼルビーノが肉を盗んでしまいます。
当然、主犯として追及されるレミ。何だかどんどん救いのない展開に。
昔観ていた人は「毎回泣きながら観ていた」そうです。分かるなぁ。
子供にはキツいようにも思えますが、いまどきの大半のアニメなんかよりよほど人生の
機微について学べると思います。


さて、何とか危機を脱したレミ達は、旅行中の金持ち一家に気に入られます。
しばらく一緒に旅行し、食事の苦労から解放されます。
やっと息抜きの展開で安心して観られます。
ところが、この金持ちのミリガン夫人はイギリスの貴族なのですが、実はレミの実の母
なのですよ!もちろん両者は、まだその真実を知りません。
ミリガン夫人は、難病の息子・アーサーのために旅をしているのです。
誘拐された息子はレミぐらいの年齢(それは本人だし当然ですが)なので、遠くからレミ
をジッと見つめるミリガン夫人の眼が怖いです。
幸せなレミ達でしたが、ビタリスが釈放されて元の貧乏生活に逆戻り(笑)。
しかも、先を急ぐビタリスの失態により冬の雪山で孤立する事態に。
オオカミに狙われるビタリス一座。
火を絶やさないように頑張りますが、人間(ビタリス、レミ)は寝てしまいます。
そして4匹(犬3匹、猿1匹)のうち犬2匹が、オオカミの罠にはまります。
特筆すべきは、やたら語るナレーションです。
進撃の巨人」、いや「新劇界の巨人」宇野重吉です。名優と謳われた舞台俳優です。
淡々とした語りなのですが、とても多くの事を語るのです。
「オオカミが1枚上手(うわて)だった」の語りで犬の運命が分かってしまいます。
引きずられていく犬とか、残った犬の毛とか、アニメだとエグいです。
半狂乱のレミに、犬が生きていない理由を理路整然と説明するビタリスが酷い(笑)。
しかもレミに「お前だけのせいではない」って。
旅を急ぎ過ぎたビタリス、あんたのせいなんだよ!(笑)。
ともかく芸達者な2匹を失い、猿も恐怖から病気になりビタリス一座崩壊の危機です。
興行が出来ないと、収入の道が途絶えてしまいますからね。
目が離せない展開が続きます。


何気なく観始めましたが、リアリティあるストーリーに夢中ですわ(笑)。