ヤマザキマリの新作コミック「プリニウス」。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


お風呂漫画「テルマエ・ロマエ」で大ヒットを飛ばしたヤマザキマリさん。
その連載新作の第1巻が7月に出ました。

前作はアイデアの勝利でしたが、今回は実在した人物なので難しい面もありそうです。
でも「プリニウス自身についての記録が少ないのが、かえってラッキーだなと。逆にそれは
イメージを膨らませて描いてもいい、ということ」と資料の少ないのを逆手に取っているのは
流石にヤマザキマリさんです。
プリニウスは、古代ローマ博物学者兼軍人で『博物誌』という有名な百科全書を書いています。
つまり、自然界のあらゆる現象を説明しようとしたものです。
長らくヨーロッパの知識人の必須教養とされたらしいのですが、流石にデタラメな部分も多くて
近代になっては、その影響力はほとんど無いと思います。
私にとっては、澁澤龍彦あたりが「プリニウスの『博物誌』によれば・・・」と書くのが、とても
カッコ良く思えたものです。
真面目な記述も多いのですが、やっぱり面白いのは架空生物を見てきたように書いている部分
でしょうか。
例えば、スキアポデスという架空生物(笑)。

一番左がスキアポデス。


スキアはギリシャ語で「影」、ポデスは「足」だそうです。つまり、一本足生物。
「彼ら一本足で極めて速く走るし、またその足は非常に大きいので、眠る時傘のように頭の上に
かざして、たくみに日除けにするという」
一体、どこから仕入れた情報なんでしょうか(笑)。でも、独特の面白さがありますなぁ。


このスケールの大きな人物を、どう描いていくのか楽しみです。