高垣彩陽さん出演の朗読劇「Valkyrie 〜Story from RHINE GOLD〜」を観ました。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


2014年11月1日 舞浜アンフィシアター 13:00開演。

雨のアンフィシアター。ハルカスの出演ですか(笑)。


スフィアメンバーからのお祝い。

「SUPER SOUND THEATRE」と称する生演奏の音楽を伴った朗読劇です。
タイトルの「ワルキューレ ラインの黄金」から想起されるように、ワーグナーの楽劇を
モチーフにしています。
だから、元ネタを知っていた方が2倍楽しめますが、ワーグナーの楽劇自体が北欧神話
ベースにした創作なので、どこかで聞いた事のある言葉やお話が出てきます。
今回、驚いたのは女性客の多さ。推定90%は女性、しかも年齢層が幅広いです。
なるほど、人気男性声優が多く出演していますからねぇ。と自分の事は棚上げ(笑)。
その中の井上和彦さんが体調不良により、前日にまさかの降板。
代役は、山寺宏一さんで流石にベテランの名人芸でした。
違和感はなかったと思っていたのですが・・・。


さて、私の席は真ん中より少し後ろぐらいでしたが、何と端っこの「お誕生日席」(笑)。
前半は、あやひーのほぼ真横を正面から(ややこしい)拝見出来る絶好のポジションでした。
あやひーの役は、氷の妖精クケリ役です。
最高神オーディンと人間の間に生まれた炎の半神ロキに仕えて世話を焼きます。
この世界では、半神はハーフブリードとやや軽蔑される世界です。
クケリは、ロキを深く愛しながらその言葉は凛として、それを感じさせません。
声の感じは、あやひーの最近の役で言えば「ログ・ホライズン」におけるヘンリエッタ
厳しくした印象でしょうか。あやひーの表情も役柄になり切っていて魅力的でした。
まぁ、脇役なんですが、登場人物で一番繊細な演技が要求されていたと思います。
そして、それに見事に応えていました。
後半でクケリが消滅する時に、あやひーは台本を閉じて両手で胸に抱えてから万感の思いを
込めてロキに「さようなら」と言うのですが、これが素晴らしかったです。
一瞬、朗読劇を超越していました。


全体の話は、神々の神話世界ですが、俗っぽいというか何とも人間臭いです。
山寺宏一さん演じる最高神オーディンの言葉を聞いているうちに閃いた(笑)。
神々=ヤクザとすると分かりやすいのですよ。
ヤクザA組の親分オーディンが豪華な自宅(神殿)を建てましたとさ。
それを請け負ったのが、別のヤクザB組(巨人族)の関連会社。
親分オーディンは、その代金を麻薬(黄金のリンゴ)で支払うと約束していましたが「その
うち払う」の一点張りです。ヤクザ世界ではA組の天下ですが、それは麻薬(黄金のリンゴ)
のお陰なのです。
実は麻薬(黄金のリンゴ)は、関連会社社員(アスク・エムブラ)によりかなり廃棄されていて
親分オーディンは、それを知られたくなかったのです。
関連会社の執拗な請求により、親分オーディンは希少価値の黄金(ラインの黄金)で払うと約束。
ただし、それは多摩川(ライン川)の底に沈んでいるので、そちらで取りに行ってくれと言う。
うん、ひでぇ話だな(笑)。
そこで、関連会社社員(アスク・エムブラ)とヤクザA組の武闘派(ソー)と2人で取りに行きます。
結局、ヤクザA組とヤクザB組の大戦争になり(一般市民を巻き込んで)豪邸(神殿)も焼け落ち、
ヤクザも滅びましたとさ・・・。
これだと、親分オーディンの武闘派娘(ブリュンヒルデ)と人間界で育った半神の野心家(ジー
フリート)、ロキ、クケリの出番が無いけど、サイドストーリーという事で(笑)。
まぁ、そういった大きなストーリーがあり、差別されている半神達の思惑が交錯するんだよ!


そうそう、出演者の衣装もギリシャ風で雰囲気出してました。
あやひーの髪型は「クニドスのアフロディーテ像」を連想させます。

クニドスのアフロディーテ

セリフの無い時は、その人に照明が当たらず暗くなっているのですが、あやひーを横から拝見
するシルエットが実に綺麗でした。頭の形もすごく良い(笑)。女神像かと思いましたよ。
あやひーは、台本を1ページおきに左下を折ってめくりやすくしていたようです。
多分、他の人はそんな事してなかったようです。細かい配慮をしているなぁという印象です。
音楽は、ワーグナーはほとんど使ってませんが、使われると思わずニヤッとします。
正直、もっと使えば話のスケールも格調高くなったと思います。
いや、それならワーグナーの楽劇を観れば、という話になってしまうか(笑)。
光の演出は、場面に合っていて良かったと思います。
全体としては楽しめました。
あやひーがもっと重要な役だったら更に良かったけど、今回の配役では妥当なところかな。
それにしても、朗読劇とはいえ、あやひーの佇まいが魅力的で見とれていました(笑)。


次の「SOUND THEATRE」には、ハルカス登場です。