高垣彩陽さん出演の舞台『元カレ』初日を観ました。

2015年6月4日(木) 六行会ホール19:00開演。


ストーリーとしては、
結婚式当日に毒殺された新婦・佐藤カンナさん。
この犯人探しのストーリーに、佐藤カンナさんの人生が交錯するといった内容。
結婚式に呼ばれた5人の男性と新郎を含めて6人。
この人達は、カンナさんと親しかったので容疑者となります。
犯人は、事前に投票結果で変わるという、マルチエンディング方式です。


あやひーは、ヒロインの佐藤カンナを演じています。
普通に考えると、カンナさんは悲惨な人生です。
結果的には、男性遍歴を重ね、やっと掴んだ結婚も式当日に毒殺ですからね。
舞台前面での推理劇、その時6人の男の回想シーンが度々あります。
その場面で舞台の後方において、あやひーのほぼ一人芝居があるのです。
あやひーの言っていた「絡まないお芝居」とは、この事だったのか。
男6人が持つカンナのイメージは、それぞれ異なります。
なので、6人の別人を演じる事にもなります。多重人格者に見えない事もないです。
それを声質から変えて演じるあやひーも大したものです。
最初に、キャピキャピ(死語)の女子大生として登場した時は、どうなる事かと思った(笑)。
叫ぶ演技との落差が半端じゃないです。
女性声優・役者でも、声質あんまり変えられない人も多いですからね。
やっぱり、声をコントロールする技術が抜群です。
演出上ちょっと残念なのは、あやひーのお芝居の時は、ほぼ表情が見えないライティング
なのです。
表情が見えれば、その迫力で「推理劇」じゃなくなっちゃう、と解釈しておきましょう(笑)。


そのままだと、とても深刻な話になるので、時々コメディー調になるんですが、これが微妙。
特に、スパイのエピソードは完全にストーリーから浮いてます。
この話の時は、あやひーも舞台前面で演技するし、綺麗なおみ足も拝見出来るので、嬉しい
事は嬉しいんですが(笑)。
脚本的には、推理劇の比重が高いので、佐藤カンナの人間性を深く掘り下げている訳では
ありません。
だから、あやひーの演技も「2LDK」みたいな「役を生きる」感は若干薄いと感じました。
表情が見えるシーンが少ないのも、そういう印象になってしまうのでしょう。
女性(人間)が、色々な面を持っているにしても、佐藤カンナの人物像が謎過ぎます。
あやひーのセリフを借りて(変えて)言うと、「私は、佐藤カンナの正体を知らない!」です。


気付いた(遅いよ)んですが、これはイケメン達を見せる芝居だな。
観客も大半は、それ目当ての女性客みたいです。
あやひー目当ての男性客は、分かりやすいなぁ。私もですが(笑)。
あやひー目当ての女性客は、イケメン目当ての客に紛れてる・・・・。
そんな中で、あやひーの存在感は大きいです。見るたびに成長している人です。
やっぱり、あやひーの表情を見たいなぁ(笑)。
DVDでは、アップで映してくれるでしょうか。
全体としては、あやひーがヒロインなので楽しめました。


私が観たいのは、「あやひーを見せる芝居」なのは確かです(笑)。