戸松遥さん出演の舞台「怪盗不思議紳士 twice」を観ました。

2015年6月8日(月) シアターサンモール19:00開演。


劇団「ヘロヘロQカムパニー」の第31回公演となります。
この劇団は流石に30回も公演を重ねているせいか、エンターテインメント演劇としての完成
度は、相当高いと思いました。
スピーディーな展開で、観客が色々と考える暇もありません(笑)。
戸松遥さんは、名探偵の助手で少年役です。
名探偵役が関智一さんなので、「妖怪ウォッチ」コンビです。
ハルカスは、実質的には主役の働きです。
セリフの量も、運動量も一番じゃないかな。アクションシーンまであります。
声は地声ですが、叫ぶようなシーンではやや高音になります。
少年の衣装と相まって、不思議な中性的な魅力があります。
ただ劇中で「子供」と言われるのですが、身長が高いので少年と青年の中間ぐらいのイメージ
です。いずれにしても、熱演・好演で役にハマッている感じがしました。


ストーリーは、予告怪盗VS探偵の構図なのですが、色々と複雑です。
冒頭のスマートな怪盗と殺人犯で残酷な怪盗が、何とも矛盾する存在です。
「twice」がキーワードで、つまり怪盗が二人、探偵も二人という図式です。
まぁ、探偵の方は意味が違うけど(笑)。
私は、ずっと怪盗の矛盾する行動が気になっていました。
種明かしの後も、二人の怪盗の関係がよく分かりません。
話がどんどん広がっていきますが、まさか「トゥーレ協会」まで出てくるとは。
この話は「ハガレン」ですか?(笑)。
単なる「美術品」泥棒と思ってた怪盗が、もっと大きな目的を持っていました。
それが、戦争に使う武器・自立型ロボットというのは、ぶっ飛んだ展開でした。
そこに現代の政治状況に対する「微かな密かな確かなヒニク」を感じるのは、少々穿った
見方かも知れません。
しかし、そういう観客が一人でもいる、という事実の中に「エンターテインメント演劇」の
真骨頂があるのではないでしょうか。
つまり、そういった主張をさりげなく取り込んでいるのが素晴らしいです。
話も、ギリギリの所でまとめていた印象です。あれ以上広げると、支離滅裂になっていたと
思います。
期待していた以上に面白かったです。


それにしても、私が高く評価しているあやひー、ハルカス。
その二人が同じ時期に別の舞台に立ち、全く対照的な役柄(性別さえ違う!)を演じるとは、
感慨深いものがあります。
あやひー、ハルカスがお互いの舞台を観られたらいいのになぁ。
時間的には、あやひーがハルカスの舞台を観るチャンスは、ギリギリあるけど。
余談ですが、ハルカスが客席のドアから登場するシーンがあります。
その後ろ姿が、私の知り合いにソックリで、本当に驚きました。
そう言えば、年齢も同じだったな・・・・。


まさか、劇中で男同士の濃厚なキスを見せ付けられるとは思わなかった(笑)。