「バベルの塔」展に行きました。


ピーテル・ブリューゲル1世の有名な「バベルの塔」が目玉の美術展です。
バベルの塔」は、2点描かれていて、今回来たのはボイマンス美術館所蔵のものです。
もう1点は、ウィーン美術史美術館所蔵で、そちらの方が大型だそうです。


色々と工夫された展示で楽しめました。
旧約聖書の「バベルの塔」の物語では
世界は共通言語で話していた→人々がある土地に住み着いた→天まで届く塔を作って
有名になろうとした→神が怒り塔を破壊→人々に異なる言葉を与え意思の疎通を妨害
結論:神様は底意地が悪い。


それはともかく、「バベルの塔」の3倍複製画(非常に良い出来)や3DCGによる立体表現
など非常に面白いです。
それによって、細部まで正確に描かれている事が分かります。
因みに、「バベルの塔」の高さを推定すると510mだそうです。


ピーテル・ブリューゲル1世には、奇怪なモンスター(何かユーモラス)を描いた作品
も多いのですが、その始祖となったのは、ヒエロニムス・ボスという画家です。
私は、このボスが大好きで、今回の本当の目的はボスの油絵2点です。
ボスの油絵は、全部で25点しか確認されてませんが、そのうちの2点ですからね。


ヒエロニムス・ボスは人々の日常を描いた作品や、一見宗教的な作品でも、奇怪な
モチーフに溢れています。意味ありげなモチーフを描いても真意は謎だらけです。
悩んだり面白がったりする観賞者を、遠くからニヤッと眺めている感じです。
ボスは「奇想の画家」とか「幻視の画家」とか言われています。


ボスの「放浪者」という作品が衝撃でした。
カゴから、何だかシマシマの物体がぶら下がっています。
ご丁寧に拡大写真と解説があり、何と「猫の毛皮」とありました。
「猫の毛皮」って何のためにあるんだ(笑)。しかも、私の好きなキジ猫とは・・・。


今回の公式マスコット、「タラ夫」です。ブリューゲルの絵から取ったもの。


ボスにしても、ブリューゲルにしても16世紀の画家だけど、不思議と現代的です。