現実が物語を超えてる将棋界。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


「事実は小説より奇なり」という言葉はありますが、近年の将棋界がファンタジー
過ぎます。
思えば、三浦九段のソフト使用疑惑(後に冤罪認定)で大騒動になったのが、2016年
の10月でした。将棋界のイメージダウンは避けられない状況になりました。


ところがですよ、その2016年12月24日に藤井聡太四段(14)がプロデビュー初戦を
加藤一二三九段と対局しました。
最年少と最年長の対戦は「将棋連盟が仕組んだ」との噂も流れました。偶然ですよ。
そこから、藤井四段(当時)の信じられない連勝が始まりました。
もう、話題は藤井四段の連勝記録に集中して、三浦問題を吹っ飛ばしてしまいました。
藤井四段は、クリスマスイブのデビューといい、文字通りの救世主となりました。


藤井四段は、連勝記録の新記録29連勝を達成して、世間の期待に応えました。
その後も高勝率を維持し、C級2組からの昇級を決め、更に全棋士参加の棋戦で
史上最年少優勝を果たし、六段に昇段してまたもや注目されています。


余談ですが、三浦問題の影響で対局中は外出禁止となりました。
そうなると、棋士の昼食は出前となり、そのメニューが観戦ファンの話題を集める
という好循環も生まれました。
こういうのを「人間万事塞翁が馬」と言うんでしょうね。


そんなファンタジスタな将棋界で、年度末にまたやってくれました(笑)。
名人への挑戦を決める最終対局で、6人によるプレーオフとなったのです。
プレーオフも珍しい部類ですが、6人とは史上初の出来事です。
最終対局で、6勝3敗の2人が負け、5勝3敗の3人が勝ち、抜け番だった羽生竜王
6勝4敗で結果待ちでした。
A級11人のうち、6人が6勝4敗になったのです!あり得んだろ!


藤井六段の29連勝や6人によるプレーオフなんて、コミックやアニメでやったら
「リアリティが無い!」と批判されるレベルです。特に私あたりに(笑)。
A級順位戦の途中経過で、豊島八段が5勝0敗、2位の羽生竜王と久保王将が3勝2敗
でしたから、一体どうやったらこうなるのか、不思議というか人間ドラマです。
しかも、プレーオフがパラマス方式という、前期順位による有利不利が極端な方式
です。
まず、順位が下の豊島八段と久保王将が対戦します。
勝った方が次に下位の佐藤康光九段と対局という具合です。
豊島八段と久保王将は、名人挑戦までに5勝が必要ですが、順位が一番上の
稲葉陽八段は1勝で済みます。
どういう結果になるのか、楽しみではあります。


A級順位戦の混戦は、豊島八段の失速もありますが、羽生さんの不調が大きい。