藤井聡太四段(15)、A級の洗礼を受ける。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


藤井四段は、8/24(金)に棋王戦本戦の初戦で豊島将之八段(27)と対戦しました。
今まで公式戦で対局した棋士の中で最も格上の相手でした。
藤井四段の完敗だったようです。


先手・藤井四段で角換わりとなり千日手となりました。
これは同一手順を4回繰り返すと成立します。
通常は先手が有利なので、先手から千日手にはしたくないのです。
それでも千日手になったのは、先手に打開する順がなかったという事です。


千日手になると、先手後手を入れ替えて最初から指し直します。
その結果、戦型は再び角換わりとなり、87手で先手の豊島八段の勝ちとなりました。
豊島八段は、かなり研究してきたのではないでしょうか。
藤井四段は、角換わりを採用する事が多いので、ピンポイントで研究されたという
のは充分にあり得る話です。


先日のA級順位戦で、広瀬八段が稲葉八段に圧勝しました。
この時は「横歩取り」戦法の戦いになり、先手の広瀬八段が勝ったのです。
実はこの対局の5日前に同じ局面が出現して、その時は互角の評価だったようです。
ところが、その対局を見ていた広瀬八段には、誰も思い付かなかった手を発見。
慎重に調べて、先手が勝ちになる手だと確信しました。
そして、それを実際に指して快勝したのです。


このようにトップクラスの情報収集・分析能力は恐ろしいものです。
相手が特定の戦法でくる事が分かれば、かなり深く研究されてしまいます。
藤井四段が前回完敗した菅井七段。
その菅井七段は、タイトル王位戦7番勝負で現在3勝1敗と羽生王位を追い詰めて
います。タイトル奪取にあと1勝です。
藤井四段は、トップクラスの壁を感じているかも知れません。


しかし、藤井四段の年齢でトップ棋士と対戦出来る事は、飛躍への序章となると
思います。
通常、この年齢15歳でトップ棋士と対戦は出来ません。普通は20代半ばでしょう。
藤井四段がハイペースで勝ち進んだ結果なのですが、より強い相手と戦う事によって
さらなる進化が見込めます。
勝っても負けても、どんどん強くなってる気がします。本当に楽しみな存在です。


これで通算38勝4敗(勝率90.48%)、今年度28勝4敗(勝率87.5%)となりました。