藤井聡太六段(15)の強さが加速している件。

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.seesaa.net/


第11回朝日杯将棋オープン戦で、棋戦初優勝を飾った藤井六段です。
年度の前半は連勝記録の話題が、世間一般を賑わせました。
そして、年度の後半は棋戦初優勝の最年少記録更新ですからね。
常に話題を提供し続けるのは、本当に大したものです。


朝日杯の準決勝で、羽生竜王との対戦が盛り上がりました。
事前予想アンケートでは、羽生竜王の勝ち予想が60%だったようです。
また、「藤井五段は羽生竜王から金星を挙げられるか?」という、すっとこどっこい
なニュース記事も見かけました。
藤井五段が勝っても、既に金星じゃないのです。
何故なら、藤井五段は1月に佐藤天彦名人に完勝しているからです。


去年の8月に、藤井五段はB級1組の菅井竜也王位、A級の豊島将之八段に負けています。
流石にトップクラスとは、まだ経験値の差が大きいのかなという印象でした。
12月10日には、NHK杯戦本戦3回戦で、A級の稲葉陽八段に完敗しています。
これは録画放送なので、実際の対局は10月頃だったと思われます。


ところが、12月15日にはA級の屋敷伸之九段に勝ちました。
藤井五段が公式対局で初めてA級棋士に勝ったと話題になりました。
12月23日には、A級の深浦康市九段に負けたのですが、これは藤井五段には珍しく
終盤のミスで逆転負けでした。
藤井五段のガックリした姿が、中学生らしく分かりやすいので話題になりました。
この時点で、また強くなったとは思いましたが、それは今までの成長曲線の延長上と
して理解していました。


今年の1月14日には、佐藤天彦名人に勝ちましたが内容的にも完勝でした。
佐藤名人の得意戦法を避けずに受けて立ち、相手に反撃の糸口すら与えませんでした。
藤井五段は年を越したら、急激に強くなっていました。
これは「新・藤井システム」とでも呼ぶべきでしょうか(笑)。


そして、2月17日には羽生善治二冠とA級の広瀬章人八段に快勝しての朝日杯優勝です。
決勝での広瀬八段戦では、終盤一見ボンヤリした▲4四桂という一手。
解説のトップ棋士達が誰も気付かなかった絶妙手でした。
渡辺明棋王はブログで
「決勝の▲44桂は18歳羽生竜王の▲52銀に匹敵する語り草になる手だと思います。
 自分もテレビで見ていて思わず声が出ました」
と書いています。まさに、伝説の一手、時期的に早過ぎるけど(笑)。
因みに、「羽生竜王の▲52銀」というのは、NHK杯加藤一二三戦で指した一手です。


藤井六段は、一体どこまで強くなるのか。現在さりげなく11連勝中でもあります。