アニメ「クロスゲーム」の終了

1年間続いた「クロスゲーム」が終わってしまいました。
戸松遥さんの正しいツンデレともお別れです。
この1年のアニメ作品としては、一番好きでした。
そのアニメで、戸松遥さんがヒロインですからね。文句なしです。


ハルカレンダー(2010-04-03)に「クロスゲーム」に対する想いが述べられ
ています。
「この一年を通してクロスゲームという作品は、そして月島青葉という女
の子は私にとって本当にかけがえのない、大切な存在になりました。」
戸松さんがこういう言い方をした作品は、そうはない筈です。
全力投球した「かんなぎ」の直後の作品でした。
放送開始前のインタビューでは「等身大の役なので、自然体でやりたい」
という意味のコメントがありました。
だから、まさかそんなに強い想いがあったとは思いませんでした。


また、こうも述べられています。
「オーディションで青葉が決まったときいた時駅で嬉し涙を流しながら
帰ったのももう一年以上前になるんですねぇ...
そして、最終回のアフレコ終了後に初めて大号泣してしまいました(笑)」
こういう激しい感情の吐露は、何だか読む者の心にグッと来るものがあり
ます。


物語は、主人公の樹多村光(きたむらこう)が野球で甲子園を目指していく
のを縦糸に、戸松遥さん演じる月島青葉(つきしまあおば)の光への感情の
変化を横糸に(独断ですが)進んで行きます。


戸松さんの演技が素晴らしいです。
元々は、姉の若葉と光が仲良くて。大好きな姉を光に取られたという感情
が強い訳です。
だから、若葉が小学校5年で事故死した後も、光に対して激しい嫌悪感を
示し続けます。
しかし、光は律儀に若葉との約束を守り続けたり、野球の才能がある青葉
をずっとお手本にし続けます。
そういう光を見続けるうちに、青葉の感情が徐々に変化していき、光に対
する言葉も微妙に柔らかくなっていくのです。
本当は、最初から好きだったというのはありますけどね。
その変化の具合が、本当に絶妙なんですよね、戸松さんの演技で。
途中で青葉は自分の想いに気付いていきます。
演技の微妙な変化も、何回か前の放送と比べると分かる程度の微妙さ。
声優さんというか、戸松さんの演技って凄いです。


地区大会決勝試合前の会話。
光「ウソ、付いてもいいか?・・・」
青葉「いいよ・・・」
光「甲子園に行く。160km出す。そして、月島青葉が一番好きだ」
子供の頃に、青葉が好きな男の条件として「160km出す人」と言っている
のが伏線としてあります。


試合には勝ち甲子園行き決定。160kmも微妙な表現ですが、出ていたと
思わせる演出。だから、最後の言葉も真実。
光は良きチームメイトの東雄平(あずまゆうへい)の言葉
「試合が終わったら月島青葉を思いっきり抱きしめてやれ」を実行します
が、青葉からビンタをもらいます。突然そんな事したら、当然ですよ(笑)。


光にビンタを食らわせてから
青葉「アンタの事を大嫌いだって言ったでしょ!」
光「ああ・・、知ってるよ・・、多分・・世界中で一番・・」
光にもたれかかるようにして
青葉「ずっと、ずっと・・大嫌いだったんだから!(泣)」
光「知ってるよ・・・」
青葉の号泣。
このセリフの合間に、試合前の会話が挿入されるという上手い演出。
青葉ちゃん、本当に難儀な娘さんです(笑)。
長女、月島一葉(つきしまいちよう)の言葉。
「青葉を泣かせられるのは、若葉と光ちゃんだけよ・・」
本人達が気付かないだけで、以前から相思相愛はバレバレです。
ラストでは言葉は相変わらずな青葉ちゃんですが、写真の焼き増しをコッ
ソリ頼んだり、さりげなく自分から手を繋いだり、可愛さ爆発です。


実は、青葉ちゃんが戸松さんと重なって見える事も多く、それも楽しかっ
たのは、ココだけの秘密です。
料理ベタは、あやひーそっくりですが(笑)。
大雑把で不器用なところとかね。声も地声に近い感じでしたからね。
ちょっと震える声で「それは、どういう事かな?」と追求されてみたい
気がしないでもありません。はい、追求されたいです(笑)。


全50話で好きなエピソードも色々ありますが、本当に良い作品でした。
あだち充さんの作品の中で、一番好きと言っておきます。
私のブログのコメントでもありましたが、自分の好きな声優さんにとって
かけがえのない作品が、私にとっても素晴らしい作品であるという事は
何と幸福な事でしょうか!
戸松遥さん、お疲れ様でした。そして、ありがとう。


月島青葉は、戸松遥さんに演じられるために生まれて来たに違いない。