君は、やまがたすみこを知っているか?

2010年3月10日分から、試験的に書いています。
本家(2009年1月5日〜)は、こちらです。
http://stsimon.paslog.jp/


豊崎愛生さんの妙にマニアックな音楽趣味に刺激されました。
私は70年代ロックには、あんまり興味がありません。
実は生き方は結構ロックだけどね(謎)。
なので、70年代のマニアックなJ-POPで対抗(?)します。


ここ読んでる人で、やまがたすみこを知っている人はいないでしょう。
と、ちょっとドヤ顔。いたら、教えて下さい。私はFMラジオのリクエス
番組で知りました。それで、色々調べたら面白かったです。
一部では既に「伝説のシンガー」とまで言われてます。今でも活動してる
んですけどね(笑)。
やまがたすみこ、本名山県寿美子、1956年生まれ。
1972年、高校1年16歳の時に、TBSのど自慢番組『家族そろって歌合戦』に
出場して中学生の時の自作曲「夏になったら」を歌い優勝。
それがキッカケで日本コロムビアからスカウトされ、翌1973年に自作曲を
歌った「風に吹かれていこう」でデビュー。
6年間に、12枚のシングル(EPレコード)と11枚のアルバム(LPレコード)を
出しています。
非常に澄んだ美しい声で、高音の伸びやかさが印象的です。
ルックスも可愛い、と言うか清純無垢(死語)な感じです。
話し方もおっとりしていて、スフィアで言えば豊崎愛生さんかな。
1973年度TBSテレビドラマ「おさななじみ」に準レギュラーで出演して劇中
で何曲も歌っています。主題歌「あの日のことは」も歌う。
週刊プレイボーイ誌で、グラビアにも登場しました。もちろんヌードでは
ありませんが。


歌も上手い、声も綺麗、アイドル的なルックス。派手なデビュー。
でも、何故かブレイクはしなかったのです。
12枚のシングルはチャートで100位以内に入った事はないそうです。
それもちょっと信じられませんが。
爽やかなカレッジ・フォーク調の曲でデビューして、自作曲を中心に歌っ
ていたのですが、当時は個性的なシンガーも多かったですからね。
その中では、あんまり強い個性が感じられなかったのかな。
所属レコード会社が演歌に強く、フォーク部門の営業力が弱かったとの
指摘もあります。


私が入手したのは、復刻されたCDでオルゴール(1975.08.25)、サマー・
シェイド(1976.07.25)、FLYING(1977.07.25)、それから新たに編集
されたGOLDEN★BESTで、いずれもアルバムです。
GOLDEN★BESTはデビューからを俯瞰出来て、これとFLYINGがあれば活動
をほぼ把握出来ると思います。
GOLDEN★BESTを聴いて分かったのですが、恋愛の歌が多い、と言うかほと
んどがそうです。デビュー曲の「風に吹かれていこう」がそうですし。
あまりに狭い世界を歌っているなぁ、という感じはします。
結局、個性派揃いのフォーク系シンガーの中では、パンチ力に欠けていた
のかな、と思います。ホント、微妙な差なんだけどね。


ファンは少なかったけど、濃いファン達だったようです。
高校生や大学生がメインのようで、やまがたさんを恋人のように思って
いたみたいです。
何でそんな事か分かるのか?
実は、当時の複数のファンがファンサイトを立ち上げています。
その内容が、メチャメチャ濃いです。
私もたまに「濃い」とか「異常」って言われますけど、そんなレベルじゃ
ないです(笑)。昔のファンは強烈ですよ。
何しろ「70年代、スミは僕達の恋人だった」ですからね。
「スミ」って言うのは、やまがたすみこさんの愛称。「おスミ」もあり。
「スミ」は結局22歳で結婚し、表舞台からは退場します。
旦那さんは、有名なアレンジャーです。
結婚後も、スタジオミュージシャンやアニメの曲、CM、ナレーションなど
を続けています。NHKの「みんなのうた」でも歌ってました。
ファンサイトでは、昔のCDの復刻運動などが行われていました。
そして、その声に後押しされるように、2001年に23年振りにソロライブが
実現しています。北海道や九州からもファンは集まったそうです。
CDも、いくつかは復刻されたのは嬉しい事です。


そうそう、私がFMラジオで聴いたのは、FLYINGの中の数曲と「イニシャル
はK」なんですが、FLYINGが問題のアルバムなんですよ、多分。
それまでは自作曲で、爽やかフォーク調でした。
FLYINGでは、自作路線を捨てて有名作曲家を使い、歌い方もやや大人っぽ
くなっています。J-POP調と言えば分かりやすいかな。
これが、初期からの清純路線に熱狂していたコアなファンからは不評だっ
たようです。
ファンサイトでも、FLYINGについて「今は好きだけど、当時はねぇ・・・」
みたいな発言が今だに多いんですよ。ファンって怖いです(笑)。
でも、客観的に見てFLYINGはやまがたすみこの最高傑作だと思います。
この路線を続けていたら、新しいファンも獲得出来た気がします。
このアルバムから1年もしないうちに、「スミ」は歌ってきた曲のように
愛を優先させた訳ですが、アルバムの不評も引き金なのかなと思います。
登場が10年早すぎたのかも知れません・・・。


FLYINGの中の曲も、恋愛ばっかりなんで恋愛偏差値の低そうなスフィアの
皆さんにはどうかと思うけど、そこは妄想恋愛という事で何曲かを、誰が
適任かを考えてみました。
ペパーミント・モーニング→寿美菜子さん。
 まぁ、爽やかさがあるので。
あなたにテレポート→寿美菜子さん。
 まぁ、爽やかさがあるので(笑)。
TODAY→豊崎愛生さん。
 語りかけるような日記風の曲。
黄昏遊泳→戸松遥さん。
 テンポの良い失恋曲。やまがたすみこの曲で一番好きです。
私春記→豊崎愛生さん。
 ゆったりした曲。「トリュフォーのシネマのように〜♪」部分が好き。
ムーンライト・ジルバ→高垣彩陽さん。
 「少女マンガ脳」にはピッタリだと思います。
夢色グライダー→戸松遥さん。
 「いい女になれそう〜♪」って「できる女」みたいだし(笑)。
GOOD-BYE・グラフィティ→高垣彩陽さん。
 テンポの良い失恋曲(笑)。ファルセット部分はあやひーの方が上手いか。
忘れてはいけないのが、別なところで現在も歌っている「午後の美術館」
(ごごのみゅーじあむ)です。略して「ごごみゅー」。
これは、スフィアがもう少し大人になるとピッタリの曲です。


やまがたすみこは「記録」に残るより「記憶」に残った歌手です。